轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いしころ

石ころ

山本 周五郎

「富士」大日本雄辯會講談社、1944(昭和19)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,450 字 · 23 页

青空文庫

「そう思うかね」新蔵は穏やかに妻を見やった、「しかしこれはこれで案外やくに立つのだよ、道普請にも家を建てるにも、また城を築くのにも、土を締め土台石の下をかためるためには、こういう石は無くてはならないものだ、……城塁の下にも、家の下にも、道にも石垣にも、人の眼にはつかないがこういう石が隅々にじっと頑張っている、決して有る甲斐がないというようなものではないんだよ」そしてかれは掌に載せた石をつくづくと見まもりながら、愛着の籠った調子で呟くように云った、「おれはこの素朴さを学びたいと思うよ」

松尾には良人の気持がおぼろげながらわかるように思えた。世評はあながち誤ってはいなかった。良人が石の素朴さを愛するというのはその為人である、「尋常ならぬものがある」と信じたのは自分の思いすごしだった。良人は噂どおり平凡な人だったのだ。松尾はだんだんとそれを承認するようになったのである。……兄は来なかったが、父の秋山伯耆はおりおり訪ねて来た。

「どうだ、うまくいっているか」「はい仕合せにくらしております」そういう問答のなかに、新蔵に対するむすめの失望がうかがわれた。けれども父親はそれに就いてはなにも云わず、「それは重畳だ、よくつとめなければならんぞ」