轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いしべいゆうれい

石塀幽霊

大阪 圭吉

「新青年」1935(昭和10)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,907 字 · 26 页

青空文庫

そう云って喬介は、無愛想に雄太郎君へ椅子を勧めた。けれどもやがて雄太郎君が、自分が証人として見聞した事実や、蜂須賀巡査の発見した新しい犯人否定説や、石塀の前の妙な出来事や、それからまた自分の証人としての困難な立場などを細々と打明けると、青山喬介はだんだん乗り出して、話の途中で二三の質問をしたり、眼をつむって考えたりしていたがやがて立上ると、

「よく判りました。力になりましょう。だが、その蜂須賀君とやらの云う通り、犯人は秋森家の双生児じゃあないね。……誰と誰が犯人かって? そいつは明日の晩まで待って呉れ給え」

五

翌日一日が雄太郎君にとってどんなに永かったことか云うまでもない。時計の針の動きがむしょうにもどかしく、矢も楯も堪え切れなくなった雄太郎君は、やがて日が暮れて夕食を済ますとそそくさと飛び出して行った。

青山喬介は安楽椅子に腰かけて雄太郎君を待兼ねていた。「今日、蜂須賀巡査と云うのに会って来たが、なかなか間に合いそうな男だね」喬介が云った。「この事件で、あの男の昇給は間違いなしだよ」

「じゃあもう、真犯人が判ったんですか?」

「勿論さ。