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しゃかいとにんげんのせいちょう
社会と人間の成長
宮本 百合子
講演「ソヴェト文化の夕」の講演速記、1947(昭和22)年6月29日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,495 字 · 21 页
非常に気持が楽なのです。
この光景から、私は漱石の小説を思い出したし、また、沢山の世界の継母、継子のお伽話を思い出したのです。私どもが子供のうちからきいているいろいろなお話の中の継母、継子の話というものは、世界共通のいつもいつも真先に涙を絞らせたテーマです。本当のお母さんがいないために、本当のお母さんが死んだあとに来た人が、自分の娘可愛さに、もとのお母さんが生んだ子供をいじめるという話、皆さんにも御記憶があるでしょう。今日だってそういうテーマのものがあるかも知れません。世界中のお伽話のつくりては、継母と継子、つまり母親を失った子供とあとから来た母親のそういう悲劇を種にしているわけです。私どもの自然な感情は家族の中で無理な形にきめられて、亡くなった母を恋しく思う子供の心に一緒になってやらないで、他人だった人を急に次の日から母親として愛さなければならないという無理な義務を押しつけて、素直な人なつこささえ歪めてしまうのです。ちょうど、それは嫌な結婚の対手についても、婦人の独立がまもられていないから、友達に逢えば年中ぐちをこぼしながら、ちゃんと人格をみとめ合った離婚も出来ないのと同じです。