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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
第二には補助艦総トン数対米七割・大型巡洋艦対米七割・潜水艦七七八〇〇トンの確保を三大原則としたが、第三の潜水艦トン数が米国と同じく五二七〇〇トンに切り下げられたとしても、総結果から云えば、まず三原則の主旨は貫徹したと見てよく、大体に於てロンドン条約は成功であったと見るべきだということ。第三には、その際全権が政府に発した請訓は、海軍次官・軍令部長・軍事参議官列席の上で賛同を得たものであって(海軍大臣渡英中)その間何等統帥権干犯というようなことは絶対にないということ。第四には、海軍第二次補充計画は、一部に伝えられるようにロンドン条約の失敗・欠陥を埋め合わせるための計画ではなくて、正にロンドン条約自身の範囲内で行われることになっているのだから、その実現が急に必要になったのはロンドン条約が原因ではあり得ないので、何か他の国際関係から由来する外ないこと。第五には該条約は一九三六年に効力を失うものでその前年に当る一九三五年の第三次軍縮会議に於ては、日本はロンドン条約と無関係に新条約を締結し得る筈になっていること、等々である。
海軍当局は之に対して、潜水艦の二五〇〇〇トン減少の如きは重大な欠陥を意味するもので、之を以てしても条約の成功だと考えるのは了解に苦しむ処だと云い、特に青年士官達は、統帥権干犯の事実は歴然として