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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
この際すでに或る意味で、この男を××にするかしないかが、高等警察的に決まっているのである、其他其他。之が特高警察の「高等警察性」であり、この高等警察性が警察機能の本質なのである。――ではなぜ高等課が廃止になるのに特高課は盛大になるか。それは二つの場合では、同じ警察機能でも、それは権力を発揮する対象が、殆んど全く相異っているから、当然なのだ。所謂高等警察の取り扱う対象は「高等」な社会人であるが、特高課の対象は之に反して下等な社会人なのだ。ただ夫だけだ。
高等警察の廃止は政党の凋落を物語る、警察は政党が凋落したものだから、その××であった高等課を振り捨てるのだ、と云われている。それはそうだ。併しそれは同時に警察の特高化を、思想憲兵化を、物語っている。丁度政党や官僚や、軍閥が或る一点に向って集中して行くように警察行政も亦この一点に向って集中して行くのであって、高等警察の廃止も警察のそうした集中過程の一産物に過ぎないのである。
二、自然現象と社会現象
現在で最も大きな問題は何と云っても東北地方の「凶作」飢饉である。新聞は毎日写真入りで東北地方農民の耐え難い生活を報道している。