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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页

青空文庫

農村陳情団は到る処、国元の駅頭で阻止されているとも聞いている。窮乏農村には「自治返上」の叫びをさえ挙げている処があるそうである。でこう見ると、東北地方の問題は、どうも矢張自然現象ではなくて、従って「同情」の対象としてはやや不向きで、遺憾ながら一個の社会現象だということになる。

社会現象とあれば、東北の冷害は、独り米穀問題ばかりでなく、偉大な軍事予算の問題や、対軍縮会議兵力量の問題などと切り離しては意味がない筈で、そこまで行くと、問題は愈々「同情」や何かでは×××せなくなるのである。東北地方の救済と、軍事予算との、数量上の連関を、ハッキリと私に教えて呉れる人はいないか。(一九三四・一一)

(一九三四・一二)

試験地獄礼讃

田舎の或る女学校に勤めていた私の友人が、遂々校長と喧嘩をして追い出された。同僚の先頭に立って、校長排斥をやった処、校長はイッカな動こうとしなかったので、社会的な質量の軽い方の彼が、反作用によって追い出されて了ったのである。校長排斥の理由は彼によると数え切れない程あるのであって、どれ一つとして現在の公立中等学校、中でも女学校の校長という地位を特徴的に物語っていないものはないのであり、どれも必ずしもこの校長の人格だけに固有な特徴として非難されるべきものはないのだが、その内に一つ、次のような笑っ