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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
そして夫が成功したのだ。この緩衝地区の更にその外廓が今度は何という名前のものになるかは、まだ判っていないが。
新聞によると、六月十一日、即ち河北省問題が一段落ついて直後、軍部の天津会議なるものが催され、そこで「将来の建設的方策」については何れ後から具体的方策を進めようということに決ったそうだが、この建設的方策ということが併し、どういうことだかまだハッキリとは判らない。最近では×××××と相談して北支進出を計画しているそうだから、案外そういうことが「建設」的方策のことだったかも知れない。
だがいずれにしても北支問題は一段落ついたので、之で安心だと思っていた処、翌日の六月十二日の北平からの通信によると、今度は問題は一転して察哈爾(チャハル)省に向ったというのである。河北省の悪玉であった于学忠が退いて安堵したばかりの処を、この于学忠よりももっと悪質な悪玉はチャハル省の宋哲元だということが判ったから、正直な国民はガッカリすると同時に、向ッ腹が立って、八ツ当りがしたくなるのであった。が冷静に考えて見るとこう上手に幕合いの長さを計って現われるような舞台は、よほど筋書きの通った劇に違いないということに気が付く。