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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
――だが、準戦時的体制下に於ける労働である以上こういうものであらざるを得ないことを観念せねばならぬ。この点を予めはっきりさせないで、之を「社会政策」とか何とか呼んでかかるから、判らないことが出て来る。つまり、社会政策という言葉さえ除けば、この政綱項目は、実に具体的に明白になるだろう。従って国民生活の安定という言葉も、除いた方が安定で、その方が国民の非常時的覚悟を促すにも利便があろう。
第六「産業の総合的振興を図り国力の伸張に勉むること。」之はごく具体的である。鉄及び燃料という戦時及び準戦時の活動及び経済に必要な重要産業原料の自給、産業の総合的振興(コンツェルン強化?)、生産力の拡充、中小商工業の助長、電力統制、通信施設の整備、と云ったように説明されているが、之は云うまでもなく、第四の国家総動員政綱の経済版に他ならない。中小商工業に到るまで、広義軍需工業と理解すれば間違はない。そして「国力」というものが何であるかも之で明らかだ。と云うのは、前項のどうも判っきりしない「社会政策」とか「国民生活の安定」とかいうものをこの国力の概念に混入すると国力という概念は大変不安定なものとなり、やがて夫は「国力」