轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かみのごとくよわし
神の如く弱し
菊池 寛
「中央公論」1920(大正9)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,929 字 · 28 页
しては居ないだろうか。お互に憎んで戦って居る相手から、そうした申出を示された時、少しでも気概のある男であったら、オメ/\と受けるだろうか。若し雄吉が河野であったならば、そうした救助の手を、憤然として払い除けるに、躊躇しないと思った、払い除けるばかりでなく、相手のそうした侮辱に対し、相当な復讐をさえ企図するかも知れぬと思った。
吉岡は、雄吉が黙ったまゝ考えて居るのを見ると、説明をするように語を継いだ。
「僕は、河野君にそれとなく話して見ようと思ったのだが、何しろ人事不省に近いことだし、そんな話をして、激動を与えては悪いと思ったから、黙って帰って来たのだ。何なら、河野君に対しては、S家の名を云わなくてもいゝのだ。ある篤志家が河野の窮状に同情して、金を出すと云う名義でいゝのだが、何うだろう。」と、吉岡は雄吉の返事を促した。
雄吉は決心して云った。
「僕は不賛成だね。S家の厚意は感謝するよ。そして、その心持も判らないことはないがね。が、然し兎に角、あゝした関係になって居るだろう。まあ、義絶と云ってもいゝだろう。若し、そうした救助を受けて置いて、もし人事不省で居る河野が恢復して、俺はS家の厚意なんか死んでも受けるのじゃなかったと云ったら、取り返しの付かないことになると思うのだ。