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がくもんのどくりつ
福沢諭吉教育論集
福沢 諭吉
福沢諭吉『福沢諭吉教育論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:学問の独立、経世の学、また講究すべし、物理学の要用、教育の目的、中津留別の書、徳育如何、学者安心論、学校の説、慶応義塾新議、慶応義塾の記、中元祝酒の記、京都学校の記、慶応義塾学生諸氏に告ぐ、成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ、政事と教育と分離すべし、読倫理教科書、小学教育の事、文明教育論。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 97,278 字 · 197 页
文明教育論
今日の文明は智恵の文明にして、智恵あらざれば何事もなすべからず、智恵あれば何事をもなすべし。然るに世に智徳の二字を熟語となし、智恵といえば徳もまた、これに従うものの如く心得、今日、西洋の文明は智徳の両者より成立つものなれば、智恵を進むるには徳義もまた進めざるべからずとて、或る学者はしきりに道徳の教をしき、もって西洋の文明に至らんとする者あり。もとより智徳の両者は人間欠くべからざるものにて、智恵あり道徳の心あらざる者は禽獣にひとしく、これを人非人という。また徳義のみを脩めて智恵の働あらざる者は石の地蔵にひとしく、これまた人にして人にあらざる者なり。
両者のともに欠くべからざるは右の如くなりといえども、今日の文明は道徳の文明にあらず。昔日の道徳も今日の道徳も、その分量においてはさらに増減あることなく、啻に増減あらざるのみならず、古書に載するところをもって果して信とせば、道徳の量はかえって昔日に多くして、末世の今日にいたり大にその量を減じたる割合なれども、かえりみて文明の程度如何を察するときは昔日に低くして今日に高しといわざるをえず。これに反して智恵の分量は古来今に至るまで次第に増加して、智識少なき時は文明の度低く、智識多き時は文明の度高し。