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わたしのしんじょう
私の信条
宮本 百合子
「世界」1950(昭和25)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,393 字 · 13 页
カンタベリー僧正ヒューレッド・ジョンソン氏から、アフリカの原住民までを貫く、この平和と原爆禁止の要求こそ、現代のヒューマニティーの叫びである。文学がヒューマニティーの最も身近な表現であるということは、文学者こそ科学者とともに平和と原爆禁止のための発言者であるべきことを当然とする。「原子爆弾をフットボールのようにもてあそばせてはならない」この真理は、エレンブルグがいうばかりでなく、エディンバラで開かれようとしている、国際ペンクラブの年次大会でも、そこに集るそれぞれの国の文学者たちによってつよく声明されるであろう。日本から行った阿部知二、北村喜八の両氏はこんどこそ、かつて島崎藤村がヴェノスアイレスのペンクラブ大会へ行ったときのようには振舞わないだろう。藤村は世界の文学者がこぞって反ファシズムの文化闘争を決議したその大会で、終始、日本の文学者として反ファシズムへの態度を明瞭にしなかった。日本の文学者として、日本と世界のヒューマニティーに対する自己の責任を回避した。阿部・北村両氏は、日本の文学者とその読者である知識人、労働者すべてからの信任状を負うて出発したはずである。