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わたしのかんそう
私の感想
宮本 百合子
「信濃毎日新聞」(三「代用食」)1940(昭和15)年11月18日号、「都新聞」(四「恩給と未亡人」)1935(昭和10)年5月7日号、「信濃毎日新聞」(五「女を殴る」)1940(昭和15)年11月27日号、「相模合同新聞」(七「子供と家庭」)1941(昭和16)年3月8日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,800 字 · 10 页
一 婦人と科学
「日本の科学」ということがこの頃世人の注目をひいている。あらゆる文化はそれぞれの国の歴史や社会の今日おかれている条件などにつれて特徴をもっていることは当然である。したがって科学や文学にしろ、その頭に、どこそこの科学という文字をつけていわれることは自然なことであると思う。
今日の日本は、画期的な転換の時期におかれていて、その発展のために生活のあらゆる面で科学性が重要になって来ていることは誰しも感じていることであろう。新しく科学工業の学校なんかもどしどしできる様子であるし、若い息子もその親も、未来の方針を技術家にきめれば大丈夫と思う風潮も大きく支配しているだろう。
優秀な技術家がどっさりできることは一つのよろこびでなければならない。けれども日本の科学の真の発展向上の推進力としては科学上の技術家がふえるばかりでなく、科学の精神というものが、その純正な存在で広く一般に普及されてゆかねばなるまいと思う。婦人の常識に科学性の不足していることもとりあげられるが、たとえばごく身近な栄養の知識について、科学性は今日どんなに表現されているだろう。