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わたしのかんそう

私の感想

宮本 百合子

「信濃毎日新聞」(三「代用食」)1940(昭和15)年11月18日号、「都新聞」(四「恩給と未亡人」)1935(昭和10)年5月7日号、「信濃毎日新聞」(五「女を殴る」)1940(昭和15)年11月27日号、「相模合同新聞」(七「子供と家庭」)1941(昭和16)年3月8日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,800 字 · 10 页

青空文庫

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四 恩給と未亡人

一応もっともだが、さて……

三日の朝、都新聞をひろげていたら、一つの記事が女である私に特別な注意をひきよせた。それは学校教員・警察官その他待遇職員の未亡人たちが遺族扶助料をもらいながら再婚し、しかも扶助料をとりあげられぬため、内縁関係にしているのがおびただしい数にのぼるので、東京府の恩給掛はこの際徹底的に調べて、内縁でも再婚している未亡人の扶助料は即刻とりあげると声明しているのである。

一応もっともなことのようであるが、私の心には何かしっくりしない感情が湧いた。学校教員・警官の遺族扶助料というものが、はたして子供まである一家の生計をささえてゆくに足りるほどの額であるだろうか? そうでないことの実際の証拠は昨今の学校教員の桃色内職事件でも明らかである。また諸官庁は元より、会社でもタイピストさえ年齢十七八歳、両親の家より通勤の者にかぎり採用が現実の有様であり、男の就職上の困難は、その困難が最も少い大臣の息子たちの新米勤人姿が、写真入りで新聞の読物となる世の中である。男がきっと女を喰わせ得、また女が独立心さえあれば年にかかわらず仕事がもてたというのは昔のことである。