轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かがくのげんかい

科学の限界

中谷 宇吉郎

「心」平凡社、1958(昭和33)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,657 字 · 18 页

青空文庫

一歩その範囲の外に出れば、案外に無力なものである。科学的とか、科学精神とかいうような言葉が、方々で使われ、人生問題や、政治の問題などにも、よく顔を出している。もちろん正当な意味で使われている場合もあるが、多くの場合は、それ等の言葉は、アクセサリーとして使われている。或いは「科学者の意見」として、ジャーナリズムに担がれている場合もある。

その極端な例としては、この頃、宗教にまで、科学を取り入れようとする宗教家もあるようである。キリスト教では、マリアの処女懐胎が、信仰になっているが、生物学では、そういうことは認められていない。ところが、下等動物では、無性生殖といって、雌だけで子が出来るものもある。そういう知識をとり入れて、マリアの処女懐胎を説明しようとする人にも会ったことがあるが、こういう話は全然間違っている。宗教と科学とは、全く別のものであって、科学といくら矛盾しようが、そんなこととは無関係に存在しているところに、宗教の本質があるのではないかと思う。

宗教に科学的な要素を採り入れようとする考え方の底には、科学の方を、宗教よりも有力なもの、あるいは確実なもののように考えているところがある。