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かがくひはんのかだい
科学批判の課題
三木 清
「新興科学の旗のもとに」新興科学社、1928(昭和3)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,229 字 · 40 页
いかにも笑うべきことだ。言うまでもなく、ディルタイの科学批判の方法がカントのそれとは異なっていたように、我々の科学批判の方法はカントのそれからも、またディルタイのそれからも必然的に異ならねばならぬであろう。ところで不幸にして多くの人々は、今まさに、ここに説かれたごとき批判の意味をさえ理解し得ない状態にあるのであるから、我々の仕事はその手始めとしてまず、ベーコンのなしたごとく、種々なる「偶像」(idola)を指摘せねばならない、特に現代のイデオロギーの内部におけるもろもろのイドーラの摘発こそは目下の急務である。マルクスが例えばその『神聖家族』において、殊にエンゲルスがその『反デューリング論』において、始めたがごとき仕事は、今日もなお勇敢に強力に継続さるべきものであると思われる。
さて新興科学の批判を受けようとするに当たって次のことは注意されねばならぬ。マルクス主義は学問理念の変革を成就しようとする、それは意識形態の範囲内においても従来のイデオロギーを革命しようとする。そこからしてひとはマルクス主義がこれまでの一切の学問の破壊的なる力であると結論する。