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かがくほうほうろん
科学方法論
戸坂 潤
「科学方法論」岩波書店、1929(昭和4)年6月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,035 字 · 284 页
事実、世界空間の形式は精密科学の理想と考えられているであろう。処がこの世界空間は又同時に、方法と対象との一致を、理想的に云い表わす。方法と対象との一致とは、併しながら、恰も科学的世界の基礎を決定するものに他ならなかった――最初を見よ。故に最後の問題は世界空間と自然科学的世界の関係に横たわる。
世界空間は自然科学的世界――世界としての自然――を最も精密に代表する表現であるであろう。何故か。自然の根本的なる規定が空間であるからである。時間も亦自然の規定であると云うか。併し自然に於ける時間は空間化されたものに過ぎない、それは云わば空間的時間であるであろう、その精密なる表現が世界空間に於ける時間軸であったのである。又自然の根本的規定は物質であると云うか。併し物質はただ空間的であることによってのみ物質であることが出来る。自然の性格は空間にある。世界空間は自然のこの空間としての性格を云い現わしている。それであるから世界空間は自然科学的世界を最も精密に代表する表現でなければならない。世界空間は自然科学的世界形象を表わす。――かくして吾々は精密の概念を追求することによって自然科学的世界の概念へ抜けて出ることが出来た。