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かがくほうほうろん
科学方法論
戸坂 潤
「科学方法論」岩波書店、1929(昭和4)年6月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,035 字 · 284 页
ただローマ法皇の思想に対してのみ之はガリレイの主義であったであろう。主義――それは透察の一つの性格である――は常に個性的性格的でなければならない。二つの主義はそれ故、それが夫々真理であると考えられるにも拘らず、必ずしも同一であるとは限らない。透察は超個人的普遍性を有たないのか。
透察は性格的であった、少くともそれは個人の性格乃至個性によって与えられる。併しどのような場合に於ても、個人は独存の個人であることは出来ないし、又そうあってはならないであろう。少くとも個人が透察的である時、個人はまず第一に歴史社会に於ける存在でなければならない。この時個人は独よがりであることを許されない。そればかりではなく個人は常に時代的錯誤と地方的錯誤―― Provincialism ――とからさえ警戒される必要を有つであろう。茲に透察は或る普遍性を要求されている。尤も透察であっても無論正確な分析によらねばならないのであるから、この正確性に於ける限りの普遍性を有たねばならないことは当然であるが、併しそのような正確性は分析の結果による超個人的な同一を必ずしも約束するものではなかった。