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かがくろん

科学論

戸坂 潤

「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页

青空文庫

* J. S. Mill, A System of Logic, ratiocinative and inductive (1843)。之には「明証の原理と科学的研究の諸方法(methods of scientific investigation)」とを結びつけた見解を示すものだ、とサブタイトルに書かれてある(社会科学に関する部分は、伊藤訳『社会科学の方法論』がある)。

自然科学の著しい発達によって、まず第一に促がされたのは、専門科学者自身による科学的研究法乃至科学一般に関する省察である。物理学乃至数学の領域からはH・ポアンカレ、物理学乃至生理学の領域からは、E・マッハ、V・ヘルムホルツ、デュ・ボア・レモン、心理学の領域からはW・ヴント、生物学の領域からはH・ドリーシュ、などを挙げることが出来るが、これ等の科学者達は、科学研究法乃至科学一般に対する省察から、夫々一般的な認識論や哲学を導き出した。従って彼等は夫々の科学論乃至科学方法論を持っていたのである。――だがそれにも拘らず、彼等の多くは(少くともヴントは例外だが)、例えば諸科学に就いて比較研究をすることなどに就いては、それ程熱心ではなかったのである*。