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かがくろん

科学論

戸坂 潤

「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页

青空文庫

観念論は第三に、広義に於ける形式主義と原則的なつながりを持っている。形式主義的範疇組織の代表者がコント以来のブルジョア社会学であることは広く認められている処であり、その典型的なものが所謂「形式」社会学なのである。カント主義的社会科学(例・シュタムラー・フォルレンダー・アードラー・等)の方法も亦これにぞくする。だが社会的現実を倫理的な個人意志の連関関係にまで、抽象・還元・形式化す点に於て、之は倫理主義の形態を取る種類のものである*。又特殊の形式主義化を意識的に方法として採用するものは、数理経済学などだろう**。――処が形式主義としての観念論は、更に、一方に於て非歴史主義に、他方に於て機械主義に、帰着する。即ち第四に、この範疇組織は、実は云わば反弁証法主義に他ならなかった。古典的正統派経済学の方法は、非歴史的方法の特徴的な場合であった。併し例えば生産力と権力、階級と国家、などを同一平面に於て並置してその理論を出発させる処の、今日の各種の(専門的乃至デマゴギー的)ブルジョア社会理論が、凡て機械主義的範疇組織の最も複雑な狡猾な使用法を意味していることも亦、忘れられてはならない。