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かがくろん
科学論
戸坂 潤
「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页
* 科学に於ける探究・発明・発見をテーマとした研究として、J. Picard, Essai sur la Logique de l'invention dans les Sciences と Essai sur les Conditions positives de l'invention dans les Sciences とを挙げることが出来る。
それだけではない。支那哲学や印度六派哲学やギリシア=ローマ期の哲学、又中世のカトリック神学、に於て見られる学問なるものは、それ自身が道徳的知恵か宗教的信条かに他ならなかった。道を説き教えを垂れることは、知識や認識の問題ではなく、律法の博士達や「学者」のものでもない。教えや道としての学問は権威がなくてはならぬと考えられた。哲学(中世では一切の学問が哲学と呼ばれる――光学さえが)は神学の婢女だというスローガンは有名であるが、云うまでもなく之は、学問が宗教の一部分となるのでなければ社会的存在を許されない、ということだった。「権威」のないものは学問ではあり得ないというのだ。ヨーロッパ中世末期の哲学が、神学のこのカトリック的権威から独立しそうにし始めたので、そこで教会はこのスローガンを選ばなければならなかったのである。