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いねのいちにち

稲の一日

中谷 宇吉郎

「世界」1946(昭和21)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,013 字 · 20 页

青空文庫

それ切りで、この実験を止めてしまった。やはり少し研究費をかけて、ちゃんとした設備をしてやらないと、巧く行かないようである。

『稲の一日』の話は、真面目な話か、冗談か、誰にもわからないであろう。実は私にもよくわからないのであるから、他の人にわからないのは当然である。この話の中で一番面白いところは、とにかくこの実験を大真面目にやってみたという点であろう。

進駐軍の野菜の大規模水耕栽培がこの頃もの珍しく報道されている。あれと同じことではないかと思われるかもしれないが、この話の灸所は、稲が十二時間を一日と思ってくれるか否かを知りたいというので、問題は別なのである。もし巧く稲をだますことが出来たら、第二段として大規模水耕法の問題が出て来るわけである。