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そらにわくきんいろのくも
空にわく金色の雲
小川 未明
「こどものせかい」1953(昭和28)年6月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,576 字 · 13 页
道であった、顔見知りの人は、みすぼらしい正吉の母にむかって、
「よく、女手ひとつで、むすこさんを、これまでになさった。」と、いって、うしろについてくる正吉を見ながら、正吉の母をほめるのでした。
しかし、心から感心するように見せても、じつは母子のしがない暮らしを、あわれむというふうが見えるので、正吉は子供ながら、それを感じていましたが、母は、そういって、なぐさめられると、気が弱くなっているせいか、すぐなみだぐんで、
「なにしろ、三つのときから、一人で育て、やっと来年は小学校を、卒業するまでにしました。」と、うったえるように答えたのでした。
あいては、もっと立ちいって、二人の生活を知ろうとするのを、正吉は母のたもとをひっぱって、
「さあ、早くいこうよ。」と、その場から、はなれたのでした。
正吉は、そのときだまっていたけれど、自分の母を、きのどくに思いました。そして、母のためなら、どんな困難もいとわないと、心にちかったのです。
「来年は、ぼく、おじさんの家へいくのだ。そうしたら、おかあさんは、一人になって、さびしいだろうね。」と、正吉はいうのでした。
「いいえ、さびしいものかね。