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くうしゅうかのにほん
空襲下の日本
海野 十三
「日ノ出 付録 國難來る! 日本はどうなるか」1933(昭和8)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,527 字 · 30 页
「そうサ。今頃は、小笠原の辺で砲火を交えている日米の主力艦隊の運命が決っている頃だろうが、きっと陸奥や長門は、ウエストバージニアやコロラドを滅茶滅茶にやっつけているだろうと思うよ」
「軍艦はやっつけても飛行機だけは、航空母艦から飛び出して、隙間を通ってやってくるんだから、いやになっちまうな」
「しかし、もう平気だよ。この前、爆弾で家を焼かれちまった下町の人なんか、家がなくなって、これでサバサバしたといっていたぜ」
「そうかい」
「あの辺へ行ってみると、直径が十メートルから二十メートルもの大穴がポカポカあいているんだぜ。五十キロ以上一トンまでの爆弾がおっこって作った穴だってさ。下町の人は、その穴の中へ、横の方へまた穴を掘ってサ、その中に住んでいるんだよ。僕、暢気なのに呆れちゃった」
「ふふン、そうかい。一番小さい爆弾で、どのくらい強いんだい」
「まア十二キロぐらいのものでも、落ちれば五メートル位の直径の穴をあけ、十メートル以内の窓硝子を壊して、そして木造家屋なんか滅茶滅茶に壊してしまうんだぞ」
「それじゃ、一トン爆弾なんて、大変だネ」
「うん、大変だ。ほら、浅草の八階もある万屋呉服店のビルディングに落ちたのが一トン爆弾だよ。