轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

「朝日」1932(昭和7)年5月~9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 95,012 字 · 189 页

青空文庫

だが、どうにもならなくなったのは、敵の空軍の圧倒的偉力だった。

敵艦を沈没させるのは自信があったが、敵機を射ち落すことは、中々うまくゆかなかった。そのうちに、味方の飛行隊の隙を覘って押し寄せた爆撃隊から、多量の爆弾が切って落されると、偉力を誇る十六吋砲も、飴のように曲ってしまった。

この調子が永く続くと、敵艦隊を圧迫した我が艦隊は、遂に反対の悲運に陥らなければなるまいと思われた。

「見ちゃいられんな」陸奥の艦上三千メートルの上空に、戦闘機を操縦し、防戦につとめている千手大尉が舌打ちした。

「いまいましいメリケン空軍の奴原だ」

その慄悍なる敵機の一隊は、目標を旗艦陸奥に向けて、突入してきた。

「やってきたなッ。吾輩の射撃の腕前を知らないと見えるな」

千手大尉は、照準を敵機の司令機の重油タンクの附近につけた。出来るなら、陸奥の艦上から、敵機を離したいと思ったが、それは反って容易に、敵の爆撃に委せるようなものであった。万一のことを思うと、鳥渡、慄然としないわけに行かなかった。

(旗艦陸奥が、爆沈されたらば、わが艦隊の士気は、どんなに喪われることだろう!)楽天家の大尉も、今日ばかりは、不安に思わずにはいられなかった。