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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
「少年倶楽部」別冊付録、大日本雄弁会講談社、1936(昭和11)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 页
暁の町から町を、熱血みなぎる声は、つよくつよくこだましていった。
恐ろしき空中作戦
正確にいうと、午前七時二十分――怪翼を左右にひろげた敵の爆撃機は、ついに帝都の上空にその姿をあらわした。
「おお、来た来た。あれが敵機だッ」
「うーン、やってきたな。さあ落せるものならどこからなりと、爆弾を落してみやがれ!」
市民は南の空をにらんで、覚悟を固めた。
しかし、敵機は、どこを潜って帝都上空に侵入して来たのだろう。
さきに、太平洋の鮪船から発した「敵機見ユ……」の警報にあったとおり、S国の日本空襲部隊は、超重爆撃機九機よりなる編隊を、次々に連ねて、東京へ東京へと、爆音もの凄く進撃をつづけたのであった。
わが防空監視船の警報は、あとからあとから防衛司令部へとどいた。
「爆撃機ハ九機ノ編隊七箇ヨリナル」
「爆撃編隊ハ高度約二千メートル、針路ハ真西ナリ」
「針路ヲ西南西ニ変ジタリ」
「只今上空ヲ通過中ナリ」
こうしてS国の空襲隊の様子は、手にとるようにわかって来た。
防衛司令部からの命令で、志津村と谷沢村との防空飛行隊に属する戦闘機○○機は、すでに翼を揃えて飛びだした。