轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まどにさすかげ

窓にさす影

豊島 与志雄

「小説公園」1952(昭和27)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,068 字 · 26 页

青空文庫

祖母の病気、その臨終、葬式、初七日と、あわただしい日ばかり続く。私はまだ女学生のこととて、責任ある仕事は持たなかったが、いろいろなことをお手伝いしなければならなかった。その合間に、ほっと息をつくと、窓の方が気にかかるのだった。

窓というものは、たいてい同じようなもので、特別に変ったのは殆んどない。私の室にある窓もごく普通なもの。南向きの縁側の左の端が私の室で、室内の左手、東側に、地袋があり、その地袋の上の棚から鴨居の高さまでが、窓になっている。地袋の棚には、人形、木彫細工、貝殼、大小さまざまな箱、硯箱など、ごたごたと私は並べている。その後ろが窓で細い桟がたくさんはいっており、磨硝子がはめこんである。磨硝子だから外は見えないし、外から室内も見えない。その小さな硝子戸が二枚、そして雨戸が二枚、その先は庭である。

この窓が、どうして気にかかるようになったか。事の起りは、ごくつまらない、そしてちょっと極り悪いことからだった。

私の頭の中に、いつとなく、へんな話がこびりついていた。それを私は、何かの昔話の中で読んだのか、何かの物語の中で読んだのか、誰からか聞いたのか、または夢にでもみたのか、自分でもさっぱり分らないのだから、不思議である。