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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
竹久夢二『童話集 春』。同一底本的分册已合并为一书。收入:はしがき、春、先生の顔、都の眼、クリスマスの贈物、たどんの与太さん、誰が・何時・何処で・何をした、日輪草、大きな蝙蝠傘、大きな手、玩具の汽缶車、風、最初の悲哀、おさなき灯台守、朝、人形物語、博多人形、街の子、夜、少年・春。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,531 字 · 97 页
さて、二十四番地はどこだろう。
細っこい白い木柵に、紅い薔薇をからませた門がありました。石を畳みあげてそのうえにガラスを植えつけた塀がありました。またある所には、まるで西洋菓子のようにべたべたいろんな色のついた、ちょっと食べて見たいような西洋風な家もありました。紅い丸屋根をもった、窓掛の桃色の、お伽噺の子供の家のような家もありました。
二十四番地! さあここだぞ。今田時雄、ああこれだ、これが昔の友達、時公の家だ。白い石の柱が左右に立って、鉄の飾格子の扉のような門がそれでした。まるで郡役所のような門だなと、留吉は考えました。
門からずっと玄関まで石を敷きつめて、両側に造花のような舶来花を咲かせてありました。
「時公もエラクなったもんだな、算術なんかあんな下手糞でも、都へ出るとエラクなれるものだな」留吉は、昔の友達の門をはいって、玄関の方へずんずん歩いてゆきました。
すると、なんだか変てこな心持が、留吉の心をいやに重くしはじめました。変だぞ、留吉は生れてはじめて、こんな厄介な気持を経験したので、自分にははっきり解らないが、留吉はすこし気まりがわるくなったのです。