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たけのさとびと
竹乃里人
伊藤 左千夫
竹乃里人「馬醉木 第六號」根岸短歌会、1903(明治36)年11月13日<br>竹乃里人「馬醉木 第八號」根岸短歌会、1904(明治37)年2月2日<br>竹の里人「馬醉木 第十一號」根岸短歌会、1904(明治37)年5月5日<br>竹乃里人「馬醉木 第十二號」根岸短歌会、1904(明治37)年7月15日<br>竹の里人「馬醉木 第十三號」根岸短歌会、1904(明治37)年8月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,338 字 · 29 页
の悪いのといわれる問題ではない、しかし予はどうしても、先生の一語しかも心籠めて繰返された一語は、心の底まで染み込んだのである、その後先生歿後、これを碧梧桐に話したら、碧梧桐は首肯しない、それはそんな訳のものでないという、虚子に話せば虚子も首肯しない、鼠骨ももちろん首肯しないのである、四方太には未だ話さない、従て四方太の考は知らぬのである、予の如きもの未だかくのごとき問題について論議するの資格なきことを自任しているが、予が正しく先生より聞取った談話は、前記のごとくで、先生の話より予の話が多いが、当時の談話事況は記述の通りである、これを世間に紹介しておくは予の責任であると思う、
世の中の進歩趨勢はその停止する所を知らずという有様で、従ってすべての思想界にも、頻々新主義を産出してくる今日であるのに、ことに文学美術の上に写実主義の大潮流は、蕩々として洋の東西に湧き返って居る今世のことなれば、あるいは欧米の文士間などより、前記先生の所説のごとき議論が、何時湧出してくるかも知れぬ、こんなこと思うと予はますます予の聞いただけのことを公表しておくの義務ある