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たけのさとびと

竹乃里人

伊藤 左千夫

竹乃里人「馬醉木 第六號」根岸短歌会、1903(明治36)年11月13日<br>竹乃里人「馬醉木 第八號」根岸短歌会、1904(明治37)年2月2日<br>竹の里人「馬醉木 第十一號」根岸短歌会、1904(明治37)年5月5日<br>竹乃里人「馬醉木 第十二號」根岸短歌会、1904(明治37)年7月15日<br>竹の里人「馬醉木 第十三號」根岸短歌会、1904(明治37)年8月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,338 字 · 29 页

青空文庫

ようなことがしばしばあった。

同人諸君の内でも、虚子君、鼠骨君、秀真君、義郎君等は、いわゆる上口の方で酒をやらるる諸君のところ、先生はしきりに酒を飲んではいけぬといわれた、種々理由もあったようであるが、古来酒を飲んだ人にえらいことをやった人がないなどといわれていた、従て前数氏の人々などには随分冷酷な注告をせられたこともあったらしい、鼠骨君などからは、この断酒注告につきての不平を聞かせられたこともある、義郎君などは最も非度く痛罵せられた方である。

しかしこれが皆前にいう通り、理屈の上のことばかりで、先生の所で何かにつけ飯が出る、また飲食会がある、それに必ず欠かさず酒を出すのだ、一方では冷酷に意見をしながら、すぐその跡から酒を出すからいかにも矛盾している、ちょっとおかしく思われるが、ここが先生の涙もろいところだ。

一所に飯をくいながらも、好きな酒を飲せぬというはいかにも残酷なようで、とても堪られんというのである、一度先生と交際した人は皆何となく離れられない風があるのも、こんなところからであろう。

吾輩などは馬鹿に抹茶が好きであるから、先生の所へ往っても、どうかすると抹茶的議論などがでる、もっとも先生は絶対に抹茶を排した