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たけのさとびと

竹乃里人

伊藤 左千夫

竹乃里人「馬醉木 第六號」根岸短歌会、1903(明治36)年11月13日<br>竹乃里人「馬醉木 第八號」根岸短歌会、1904(明治37)年2月2日<br>竹の里人「馬醉木 第十一號」根岸短歌会、1904(明治37)年5月5日<br>竹乃里人「馬醉木 第十二號」根岸短歌会、1904(明治37)年7月15日<br>竹の里人「馬醉木 第十三號」根岸短歌会、1904(明治37)年8月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,338 字 · 29 页

青空文庫

ようなものはとても出来ないものとキメてしまった、

今までは小説についていくらか迷っていたが、とても吾々を満足させる小説は出来得ないものとキメてしまった。

出抜に先生はこういって再度眼を閉てしまった、これだけのことをいうにもよほどタイギそうに次の語を発しない、予は思わず膝を進めて。

それは先生文学上の大問題ですなア。

予は先生に次なる語を促すような語気でもってそういうたのであるが、先生ははなはだ息苦いかのごとく、容易にその次を語らない、この時予はむしろ次なる先生の説を聞たいというよりは、話を続けて先生を慰めようという方に多くの意味を持って、再び次のごとくいうたのである、

ただ今の先生のお話はちょっと考えましたところでも、実に文学上の大問題ではありませんか、西洋なぞの話では文学といえば何より先に小説であって、小説は文学というより文学は小説という有様で、いうまでもなく小説は文学の最高位にあるものだそうじゃありませんか、そういう小説が今先生の申さるるごとく、文学趣味の上から満足な感を得られないということは、実に一大議論のように考えられます、かりそめのお話でなくて、真に思い定めた