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えのないえほん

絵のない絵本

矢崎 源九郎

02 解説

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,778 字 · 6 页

青空文庫

アンデルセンは一生のあいだ旅から旅へとさすらって歩いた。旅こそは彼から切り離すことのできないものであった。一八三一年に初めて国外への旅行を行い、つづいて一八三三年にはドイツ、フランスをへてイタリアへの旅にのぼった。このときの旅行のあいだに、その印象をもととして書いたのが『即興詩人 Improvisatoren』(一八三五年)であって、この作によって初めて彼の名は国の内外に認められるようになった。『ただのバイオリン弾き Kun en Spilmand』とか、ここに訳出した『絵のない絵本 Billedbog uden Billeder』や、『スウェーデンにて I Sverige』、『わが生涯の物語 Mit Livs Eventyr』をはじめ、彼のほとんどすべての作品はこのとき以後のものである。童話についても同様、『即興詩人』が出版されてから二、三カ月後にはじめて第一集が出、それから一八七五年八月四日に永眠するまでに百五、六十にも及ぶ多数の童話が書かれたのである。

『絵のない絵本』は、一八三九年から四〇年ごろを中心にアンデルセンの創作意欲の最も盛んなときに書かれたものである。