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ぜったいむじゅんてきじこどういつ
絶対矛盾的自己同一
西田 幾多郎
「思想 第202号」1939(昭和14)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,000 字 · 99 页
我々は個人的自己として絶対矛盾的自己同一的なるもの超越的なるものに対しているのである。マリノースキイのいう如く、原始社会にも既に個人というものが含まれていなければならない。動物的群居と異なるものがあるのである。原始社会はトーテムとかタブーとかにより極度に束縛せられる。しかしなお個人の自由というものがあるのである、故に罪というものがあるのである。
具体的人間としての我々に与えられるものは、心理学者の直覚という如きものではなく、社会的に与えられるものでなければならない、我々を包むものとして与えられるのである。矛盾的自己同一的世界の自己形成として強迫的に与えられるのである、私のいわゆる弁証法的一般者の自己限定として与えられるのである。社会的因襲的に過去からとして要請せられるのである。論理的には特殊的といっても、我々が歴史的・社会的であるかぎり、種的であるかぎり、本質的にそれから動かされざるを得ないのである。それはレヴィ・ブリュールの如く論理以前ということができるであろう。しかしプラトンの論理といえども、その根柢においてイデヤの分有にほかならない。単なる抽象的論理はかえって真の論理ではない。