轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ろうふうふ
老夫婦
黒島 伝治
1925(大正14)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,957 字 · 27 页
」
「うむ。」
「清はチャンチャンとも話が出来るんかいや?」おしかも楽しそうに話しかけた。清三は海水浴から帰って本を出してきているところだった。
「出来る。」
「そんなら、お早よう――云うんは?」
「……」
「ごはんをお上り――はどういうんぞいや?」
「えゝい。ばあさんやかましい!」
「云うて聞かしてもよかろうがい。」おしかはたしなめるように云った。
「えゝい、黙っとれ!」
「お、親にそんなこと云よれ、バチがあたるんじゃ。」おしかは洗濯物をつゞくっていた。
清三は書物を見入っていた。ところが、暫らくすると、彼は頭痛がすると云いだした。
「そら見イ、バチじゃ。」おしかは笑った。
だが清三の頭痛は次第にひどくなってきた。熱もあるようだ。おしかは早速、富山の売薬を出してきた。
清三の熱は下らなかった。のみならず、ぐん/\上ってきた。腸チブスだったのである。
彼女は息子を隔離病舎へやりたくなかった。そこへ行くともう生きて帰れないものゝように思われるからだった。再三医者に懇願してよう/\自宅で療養することにして貰った。
高熱は永い間つゞいて容易に下らなかった。為吉とおしかとは、田畑の仕事を打ちやって息子の看護に懸命になった。