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のうめんのひみつ

能面の秘密

坂口 安吾

「小説新潮 第九巻第三号」1955(昭和30)年2月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,440 字 · 35 页

青空文庫

奥さんにはもう残った金がありません。これからも益※(二の字点、1-2-22)株に手をだすことでしょうが、二人の味方の一人は自分が殺し、一人は背いて去りました。あの人の金は砂にまくようなものです。自然に破滅が訪れますよ。老醜の極に達して恥を天下にさらすのです。乞食になって野たれ死ぬかも知れませんよ」

この予言は実に近いうちに実現したのである。浩之介が有金さらって逃げたのである。これを警察へ訴えでれば大川殺しの真相をあばいてやるという置き手紙があった。浩之介は家の内情について明るいし、探偵小説にもくわしいから、九太夫と同じ推理に達することができた。二百万円に代えられたものが能面であることも悟ったのである。

奥さんはヤケを起して残りの全財産を短日月で株に使い果してしまい、クビをくくって死んでしまった。