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ほどう

舗道

宮本 百合子

「婦人之友」1932(昭和7)年1~4月号(著者検挙のため未完)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,745 字 · 70 页

青空文庫

と云った。そして今はみつ豆のかんてんをぽちぽちたべながら、

「……私エスペラントなんて柄じゃないんだけれど……でも、講習会へ来てるひと、わりかたみんな気持いい人ばっかりね。それに教科書が痛快だわ。……いっそあのパン菓子屋さんのお神さんにでもして貰っちゃおうかしら」

みどりは元柳原の裏のアパートをかりて住んでいるのだった。

「気が向いたらよって下さいな。とてもおかしなとこで笑っちゃうワ。どうせ昼間は家にいないから、盲窓みたいな三角の室にいるの……七円よ、悪くないでしょ?」

ミサ子は、みどりに対するこれまでの自分の心の中にもいつの間にかやっぱり××○○流の気分が入ってたと思って、後めたい心持だった。

「――丸ビルの事務所へよってもかまわないかしら」

「かまうもんですか! でもあすこだっていつまでいれるか知れたもんじゃないわ」

「かわるの?」

「だって、ウダウダ云うの聞かなけりゃクビだもの。――まあ大抵一つところ三月だわね」

ミサ子も自分の住所と略図とを書いてわたした。

テーブルから立ちしなに、みどりは着物の襟元をひっぱりながら(彼女の方を三人づれの学生がじっと見ているのにかまわず)、