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わかいむすめのりんり

若い娘の倫理

宮本 百合子

「婦人公論」1940(昭和15)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,181 字 · 18 页

青空文庫

よく婦人雑誌に出るこの種の働く娘さんの、経済のやりくりを見ると、職業との結びつきの本質がまざまざと語られていると思う。こういう人たちは、自分たちの小遣帳に大きい買物、小さい買物という部をわけている。小さい買物だのお茶をのんだり映画を見たりすることは、自分たちの月給でまかなっている。大きい買物というのには服、靴、ハンド・バッグ、帽子その他が入れられるのだが、これらの大きい買物はみんな親に出して貰う。そして、その金額についてはひとしく沈黙が守られている。そういう基本的なところをまかせている生活態度について深く考えるということもないらしく、自分だけでは解決されているのだから、働く婦人として受ける報酬という社会的なこととして、それが足りなければ足りないことが考えられることもされないのである。

従って、そういう娘さんたちが職業について、真に獲得して来る経験は、果してどういうものだろうか。

先ず正直に云って、職業そのものからも、その職業の場面で接触して来る人々からも、大抵は一種の幻滅を感じて来ていると思う。ここに、若い娘の複雑な社会での扱われようも関係していると考えられる。