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わかいふじんのちょしょふたつ
若い婦人の著書二つ
宮本 百合子
「新女苑」1940(昭和15)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,582 字 · 11 页
つまり、そこが現代の娘の感情の性格そのものだといわれてしまえば、それ迄のようなものだ。しかし、それでもそのままやっぱり引こんでしまえないようなものが読者の胸に後味としてのこされるのではないかと思う。
たとえば、若い年ごろの娘さんさえみれば結婚話にひきかけてゆく大人の通俗的なうるささに対して、今日の若い娘さんが厭ましがる心持は十分にうなずける。縁談の場合、男だけが虫のよい註文をつける腹立ち、仮装とトリックとで娘さんに対する仲人というものへの侮蔑の感情、それらはみな若い美しい潔癖であり、つよく娘さんの側から社会的な態度として主張されてゆかなければならない点であると思う。けれども、「お世辞だらけの縁談はまっぴら」というなかで大迫さんが、結婚の対手が石部金吉では窮屈だ、若いころの恋愛ならいくらあったって少しも縁談にさしつかえない、ただそのひとの純粋さえ失わなければそれでいいと思う、といい切っていることは、今日の娘がどんなに旧来の嫁、妻という境遇の束縛から自由になりたがっているかということと考え合わせ、さまざまの感想をそそられた。
独占的な、封鎖的な古風な男の愛情にとらえられて、おれの女房という狭く息苦しい囲いの中に入れられる生活への嫌悪と恐怖は、今日の娘たちに、いわゆるさばけた人を良人として求めさせている。