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わかきりょうゆうに

若き僚友に

宮本 百合子

「学生評論」1951(昭和26)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,126 字 · 7 页

青空文庫

支配階級は、すでにこんにち、人民の理性の声にたえ得なくなって来ています。さもないならば、どうして、日本の社会生活のあらゆる場面から、こんな大規模な理性の狩りたてを行う必要があるでしょう。レッド・パージとそれに反対する学生の大量な処分は、全く中世的な方法であり、みせしめのためのはりつけ同然です。この演出では、観衆の錯覚がたくみに利用されている。すなわち、警官隊の野蛮な襲撃や、検挙された学生が数百名にのぼることを、さも日本の学生が兇暴なものになってしまいでもしたように世界を偽瞞するための宣伝に使用しています。

われわれを、こんにち、心からいきどおらせているのは、権力機関のすべてを動員して行われているこの「作られた真実」の偽瞞性です。若いエネルギーの鬱積があふれて、彼らの教室からはみだしたとき、大衆的な行動のなかには、「喧嘩両成敗」というべき事態のおこることもあるでしょう。行きすぎとか誤解とか、ことのはずみ、というものは社会生活のどこにもありがちなことです。若い世代に対する糺弾者であり、われわれ自身の老いることを欲しない良心の蹂躙者である権力に向って、わたしは心から次の質問をします。