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わかきじだいのみち
若き時代の道
宮本 百合子
「関西学院新聞」1937(昭和12)年5月20日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,389 字 · 5 页
ありふれたアカデミックなコースをただ早まわりするというだけであったら意味がない。ひところ、良心的な人間の社会的任務というものが、その人々の専門の技術以外の社会的行動、政治的な行動に重点を置いて二元的に考えられていた時期があった。そういう行動の可能が周囲に見えなくなったので、人間としての良心的に生きる途を失ったような当惑の感情があった。しかし、今日理解は経験によって深められた。それぞれの専門の活動を貫いてその道から社会的な進歩に参加し得るものであり、又、そこまで各自の専門的学識、技術を従来のアカデミックなものから解放して活々と社会的に把握するべきであるという覚悟にまで到達していると思う。めいめいがその道において生き、その道において進歩のために闘い、その道のために誇りをもって死ぬことの出来るような真の意味での献身こそが、学者の生活であるべきである。サラリーマンとなる過程として学生生活をしている人の方が数からいえば当然学者になろうとして勉学している人より多いわけである。サラリーマンの生活の下らない、希望のなさ、その日暮しの味気なさについて流行歌まであるのだが、若いサラリーマンたちが、自分たちの生活の無意味さを自嘲的に喋るところだけに、自分のインテリゲンツィアである微かな誇りをもっていることが、私には本当に口惜しい