轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

「ちゃわんのゆ」のことなど

「茶碗の湯」のことなど

中谷 宇吉郎

「婦人之友」1942(昭和17)年6月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,038 字 · 11 页

青空文庫

それで私は喜んで、その仕事を引き受けることにした。

この執筆者たちは、今は立派な一流の学者になっておられて、名前を言えば、誰でも知っている人が多い。しかし『赤い鳥』ではそれが殆んど全部変名になっていて、随分意外な方が、意外な題目で書いておられるのもちょっと面白かった。

ところで、この話をもって来られた時に「この中に、たしか寺田先生が変名で書かれたものがあるはずだ」という話があった。私は大変興味をもって、それを心探しの気持で、ずっと読んで行った。その一篇は勿論すぐ分った。それは、八条年也という名前で出ていて、題は「茶碗の湯」というのであった。

恐しいもので、この「茶碗の湯」を数行よみかけたら、これは寺田先生以外には誰も書けないものだとすぐ直観された。それは、文章の良い悪いなどの問題では勿論なく、また内容が高級で表現が平易であるなどということを超越したものであった。強いて言えば、それは芸が身についた人の芸談にあるような生きた話であった。

「茶碗の湯」は全部で、印刷にして六頁くらいの短いものである、しかしその中には、先生が一杯の熱い湯のはいった茶碗を手にして、物理学の全体を説き明かして行かれる姿が出ていた。