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ねぎ

葱

芥川 竜之介

作家在截稿前夜拼命写小说,但咖啡馆里有个女侍叫阿君,漂亮得不行,居然被客人起了个外号叫“通俗小说”?这绰号背后藏着什么故事呢?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,150 字 · 16 页

青空文庫

だからお君さんの中にある処女の新鮮な直観性は、どうかするとこのランスロットのすこぶる怪しげな正体を感ずる事がないでもない。暗い不安の雲の影は、こう云う時にお君さんの幻の中を通りすぎる。が、遺憾ながらその雲の影は、現れるが早いか消えてしまう。お君さんはいくら大人じみていても、十六とか十七とか云う少女である。しかも芸術的感激に充ち満ちている少女である。着物を雨で濡らす心配があるか、ライン河の入日の画端書に感嘆の声を洩らす時のほかは、滅多に雲の影などへ心を止めないのも不思議ではない。いわんや今は薔薇の花の咲き乱れている路に、養殖真珠の指環だの翡翠まがいの帯止めだのが――以下は前に書いた通りだから、そこを読み返して頂きたい。

お君さんは長い間、シャヴァンヌの聖・ジュヌヴィエヴのごとく、月の光に照らされた瓦屋根を眺めて立っていたが、やがて嚏を一つすると、窓の障子をばたりとしめて、また元の机の際へ横坐りに坐ってしまった。それから翌日の午後六時までお君さんが何をしていたか、その間の詳しい消息は、残念ながらおれも知っていない。何故作者たるおれが知っていないのかと云うと――正直に云ってしまえ。