轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
「大阪毎日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6月17日<br>「東京日日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,066 字 · 216 页
てしまって、直に底の割れるようなことばかりを云う。あの威勢のよかったかみさんが、どうしてこんなになったのか不思議な気がするが、恐らく酒のせいなのだろうと、要はそう思うことがあった。実際頭の働きが鈍くなって、体がぶくぶく膨れるのと一緒に、彼女の過すウイスキーの量はますます増して行く一方で、酔っても昔はしまりがあったのに、今では更にたわいがなく、朝からせいせいと息を切らせているし、ボーイの話では月に二三度は人事不省になると云うし、血圧の高い人間の標本のような恰好をして、いつぼっくりと行ってしまうかも知れないのである。そんなふうだから、世間の景気不景気に拘わらず、此処の家が繁昌する筈はないので、気の利いた女は借金を蹈み倒して逃げてしまう、コックやアマは酒の上り高をくすねる、一時は英領植民地あたりから純粋の金髪種が入れ代り立ち代り来ていたこともあったのが、この二三年は合の児か露西亜人ばかりになってしまって、それも一時に三人以上揃っていることはないのであった。
「マダム、………悲しいのは無理もないが、そう泣いてばかりいて体にさわったらいけないじゃないか。いつものあなたにも似合わない、元気を出して酒でも飲んでみるといい。