轻松读懂日语经典作品
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
「大阪毎日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6月17日<br>「東京日日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,066 字 · 216 页
汽車より速いと云うくらいで、あれを運動させるには自転車へ乗って引っ張るのが一番いいんだ。何しろ競馬に出る犬だから」
「競馬じゃあないでしょ、競犬でしょ小父さん」
「やられたね、一本」
「けれどあの犬、ディステムパアは済んでるかしら?」
「済んでるよ勿論、もうあの犬は一年と七箇月になるんだ。―――それよりあれをどうして家へ連れて行くかが問題だな、大阪まで汽車で、それから自動車ででも行くか」
「そんなことをしないだって阪急は平気なんですよ。ちょっと頭から風呂敷か何か被せてやれば、人間と一緒に乗せてくれるんです」
「へえ、そりゃハイカラだなあ、日本にもそんな電車があるのか」
「日本だって馬鹿に出来ないでしょう、どうだす、小父さん?」
「そうだっか」
「おかしいや、小父さんの大阪弁は。それじゃアクセントが違ってらあ」
「弘の奴は大阪弁がうまくなっちゃって困るんだよ、学校と家とで使い分けをやるんだから、―――」
「そらなあ、僕かって標準語使え云うたら使わんことないけど、学校やったら誰かってみんな大阪弁ばっかりやさかい………」
「弘」
と、要は図に乗ってしゃべりつづけようとする子供を制した。