轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
「大阪毎日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6月17日<br>「東京日日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,066 字 · 216 页
そう云うところは僕も弘も全く同じ気持なんで、さっきの話す話さないの一件なんぞも、僕が話すのを厭がるように子供の方でも聞かされるのを厭がっているのは、あれの様子に見えているんだ。弘にしてみると、君と云う人は何を云い出すか分らない、お父さんが云わないでいることを、今に君から宣告されやしないかと、そんなところまで感ぐっているんじゃないかと思う」
「そうか、それでその恐ろしさを胡麻化すためにはしゃいでいたのか」
「要するに、僕も、美佐子も、弘も、三人ながら同じように気が弱いんだ。そうして今では三人共に同じ状態にとどまっているんだ。―――正直を云うと、僕にしたって君の来るのが恐ろしくないことはないんだから」
「じゃ、放って置いたらどうなるんだ」
「放って置かれたらなお困るんだ。恐ろしいことは恐ろしいが、何とかカタがついた方がいいには違いないんだから」
「弱ったな、どうも。―――阿曽と云う男は何と云っているんだ。君等が駄目なら、その男に積極的に出てもらったら、却って解決が早くはないかな」
「ところがその男もやっぱり同じらしいんだよ。美佐子の方から極めてくれなければ、自分はどうともする訳に行かないと云うんだそうだ」