轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふきもんどう

蕗問答

山本 周五郎

「冨士」大日本雄辯會講談社、1940(昭和15)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,898 字 · 14 页

青空文庫

……江戸表からの早馬とあって老職がすぐに対面すると、

――秋田蕗の最も大きなものを十本、葉付きのまま至急に取集めて送れ。

という墨付の上意であった。

早馬を立てての急使にしては余りに意外な用向なので、使者にその理由を訊ねると次のような事実が分った。

江戸城へは諸国の大名が集るので、よくお国自慢が披露される、なにしろ交通不便な時代ではあるし、北は蝦夷の福山から南は九州薩摩にわたる広汎な顔触れなので、いちどお国自慢が始まるとずいぶん珍しい話が多い。……義敦はそういう席で国産の蕗の話を持出した。

周知の如く秋田の蕗はその最も大きなものになると茎の太さ二尺周り、全長一丈を越えるというほどである。これはいきなり話されても信じられないのが当然で、

――秋田侯が程もあろうに。

と一座の諸侯にてんから笑殺されてしまった。

義敦としては嘘を云った訳ではないので、非常な侮辱を感じながら下城すると、すぐに国許へ使者を差立てたのである。……つまり実物を見せて嘲笑した人々に謝らせようという訳だ。

仔細を聞いた老職たちは、主君の恥辱を雪ぐ大切な事柄なので、すぐに八方へ人を遣り、特に大きなのを集めたうえ更にその中から選って十本、江戸まで充分に生気を保つように荷造りをして送り出したのである。