轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
やぶおとし
藪落し
山本 周五郎
「アサヒグラフ」1935(昭和10)年2月17日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,118 字 · 14 页
いつもむっつりとして、裕吉と一緒に野良を働いていた。
叔父の多吉は、今度こそ勘三郎も身にしみたであろうと思い、ひと冬過ぎたら後添の心配をしてやり、そのときの都合では裕吉を自分の手もとへ引取ってもよいと考えていた。それにもかかわらず、収穫にかかろうという忙しいときになると、いつかしら勘三郎の姿が野良にみえなくなり始めたのである。
彼はまた山入りを始めたのだ、二人分の弁当を拵えて、裕吉を伴れて、けれど山へ登ってからの彼は、べつに砿脈を捜すようすもなく、子供の手をひいてあちらこちらと山の中を彷徨うばかりであった。ときどき立停まってころげている石塊を拾いあげたりするが、そんな場合にも眸はあらぬほうを見守っているというふうである。
――どうするの、それ何なの。
子供が訝しげに訊くと、勘三郎は我にかえったように拾いあげた石塊を見、
――う、うん。
と低く鼻で答えながら、それを遠くへ抛り投げるのであった。
ある日、ふたりは栗林の中で弁当をつかい、そのあとで勘三郎は草の中へ横になってうとうとした。それはほんの短い時間であったが眼をさましてみると子供の姿が見えない、彼は起き上って名を呼んだ。