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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

两个男人去登比叡山,一个像方形石头,一个像细长竹竿,一路斗嘴。可山没变,他们心里的那点事却慢慢浮出来了。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 198,559 字 · 401 页

青空文庫

と宗近君は阿爺の前で変則の胡坐をかいている。

「アハハハハそれじゃ叡山へ何しに登ったか分からない」

「そんなものは通り路に見当らなかったようだね、甲野さん」

甲野さんは茶碗を前に、くすんだ万筋の前を合して、黒い羽織の襟を正しく坐っている。甲野さんが問い懸けられた時、然な糸子の顔は揺いた。

「相輪※(「木+棠」、第3水準1-86-14)はなかったようだね」と甲野さんは手を膝の上に置いたままである。

「通り路にないって……まあどこから登ったか知らないが――吉田かい」

「甲野さん、あれは何と云う所かね。僕らの登ったのは」

「何と云う所か知ら」

「阿爺何でも一本橋を渡ったんですよ」

「一本橋を?」

「ええ、――一本橋を渡ったな、君、――もう少し行くと若狭の国へ出る所だそうです」

「そう早く若狭へ出るものか」と甲野さんはたちまち前言を取り消した。

「だって君が、そう云ったじゃないか」

「それは冗談さ」

「アハハハハ若狭へ出ちゃ大変だ」と老人は大いに愉快そうである。糸子も丸顔に二重瞼の波を寄せた。

「一体御前方はただ歩行くばかりで飛脚同然だからいけない。――叡山には東塔、西塔、横川とあって、その三ヵ所を毎日往来してそれを修業にしている人もあるくらい広い所だ。