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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

两个男人去登比叡山,一个像方形石头,一个像细长竹竿,一路斗嘴。可山没变,他们心里的那点事却慢慢浮出来了。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 198,559 字 · 401 页

青空文庫

と宗近君の腰はまず椅子に落ちた。

「うん」と云う簡潔な返事がある。

「藤尾さん小野が来ているよ。後ろを見て御覧」と宗近君がまた云う。

「知っています」と云ったなり首は少しも動かなかった。黒い眼が怪しい輝を帯びて、頬の色は電気灯のもとでは少し熱過ぎる。

「どこに」と何気なき糸子は、優しい肩を斜めに捩じ向けた。

入口を左へ行き尽くして、二列目の卓を壁際に近く囲んで小野さんの連中は席を占めている。腰を卸した三人は突き当りの右側に、窓を控えて陣を取る。肩を動かした糸子の眼は、広い部屋に所択ばず散らついている群衆を端から端へ貫ぬいて、遥か隔たった小野さんの横顔に落ちた。――小夜子は真向に見える。孤堂先生は背中の紋ばかりである。春の夜を淋しく交る白い糸を、顎の下に抜くも嬾うく、世のままに、人のままに、また取る年の積るままに捨てて吹かるる憂き髯は小夜子の方に向いている。

「あら御連があるのね」と糸子は頸をもとへ返す。返すとき前に坐っている甲野さんと眼を見合せた。甲野さんは何にも云わない。灰皿の上に竪に挟んだ燐寸箱の横側をしゅっと擦った。藤尾も口を結んだままである。小野さんとは背中合せのままでわかれるつもりかも知れない。