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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

两个男人去登比叡山,一个像方形石头,一个像细长竹竿,一路斗嘴。可山没变,他们心里的那点事却慢慢浮出来了。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 198,559 字 · 401 页

青空文庫

将来の運命は藤尾に任せたと云って差し支ない。――小野さんは心中でこう云う言訳をした。

「東京は変ったね」と先生が云う。

「烈しい所で、毎日変っています」

「恐ろしいくらいだ。昨夜もだいぶ驚いたよ」

「随分人が出ましたから」

「出たねえ。あれでも知った人には滅多に逢わないだろうね」

「そうですね」と瞹眛に受ける。

「逢うかね」

小野さんは「まあ……」と濁しかけたが「まあ、逢わない方ですね」と思い切ってしまった。

「逢わない。なるほど広い所に違ない」と先生は大いに感心している。なんだか田舎染みて見える。小野さんは光沢の悪い先生の顔から眼を放して、自分の膝元を眺めた。カフスは真白である。七宝の夫婦釦は滑な淡紅色を緑の上に浮かして、華奢な金縁のなかに暖かく包まれている。背広の地は品の好い英吉利織である。自己をまのあたりに物色した時、小野さんは自己の住むべき世界を卒然と自覚した。先生に釣り込まれそうな際どいところで急に忘れ物を思い出したような気分になる。先生には無論分らぬ。

「いっしょにあるいたのも久しぶりだね。今年でちょうど五年目になるかい」とさも可懐げに話しかける。

「ええ五年目です」