轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にじとかんきょう
虹と感興
上村 松園
「大毎美術 第十一巻第一号」1932(昭和7)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,448 字 · 5 页
そしてその床几と人物の背後には、夏萩があります。夏萩は白い花をいい頃合に着けて、夕暮れ頃の雨上りの露を含んでおります。
左の片双には、娘が幼な児を抱いて立っておるのですが、この方へ、その背景に虹を用いたわけです。
一双の図組の中に出ている気分は、初夏のある夕べの雨上り、湿った空気の中に、軽い涼しさがさわやかに流れておるという点を出したいと思ったものですが、その爽やかさと、婦人の美しさが、互いに溶け合って、そこに一種の清い柔かい何かが醸し出されるなら、仕合せだと考えます。
虹は、七色から成立っておると申しますが、屏風のは、かっきり明らかに七色を組合せたというわけでもないのです。これはあまりかっきり出しますと、色彩的には美しいかも知れませんが、それでは調子を荒だてるようにもなりますから、そういう破綻を出すまいと、私としてはかなり苦心してみました。
私はこの前、徳川喜久子姫の御入輿に、今は高松宮家に納まっています一双の御屏風も、これに似た調子のものでして、これにも萩を描き加えました。この方の萩は秋萩でして、右片双には中年の婦人を用いました。
前に感興のことをちょっと述べましたが、私たち筆執るものには、この感興は非常に大事なことで、感興の高さ、深さの如何によって、作品の調子がきまるわけですから、そういう感興によって